当院の理念
不育症外来
 不育症(習慣流産):定義としては3回以上連続する流産が続く時に習慣流産といいます。特に病的な問題の無い患者様でも流産に至る確率は15-20%あり、これは年齢により上昇します。普通の流産の一番の原因は偶発的な染色体の異常であり、どうしようもありません。また、流産を2回経験するような方は4%ぐらいいます。しかし、流産を3回も経験する方は1%程度であり、正常な妊娠が一度も無く3回以上も流産する方は何か特定の原因がご夫婦にある確率が高く、不育症として検査をするのが望ましいと思われます。ただし、2回続けて流産された方は3回目も流産するのではないかという不安にかられることが多く、妊娠に対する不安や恐怖を取り除く意味で、特に明らかな異常がないか、簡単な検査を行うことがよくあります。

* 習慣流産の原因の主なもの
  • 夫妻のどちらかもしくは両方の染色体異常
  • 子宮奇形;双子宮角子宮や弓状子宮などでは子宮内に血流の悪いところや、妊娠による子宮の拡張が悪く緊張がかかるために胎盤と子宮壁にずれができて流産をおこしてしまうことがあります。
  • 甲状腺機能亢進症もしくは低下症
  • 膠原病(SLEなど)
  • 糖尿病
  • 黄体機能不全症
  • 感染(トキソプラズマ、リステリアなど)
  • 血液凝固因子欠損症
  • 夫婦の免疫系不適合の問題
    子宮内で免疫寛容がおこるためには、子宮内膜が胎児をうまく認識しなければならないといわれています。夫婦間の免疫(抗原性)があまり似通っていると、逆にうまく胎児を認識できないことがあり、これが免疫寛容がうまく働かないようにしてしまうことがあると考えられています。
当院では、不育症の検査および治療を行っています。