今月(令和6年10月)のお知らせ
ようやく、秋が感じられる涼しい風が吹くようになってまいりました。以前より秋の訪れが、1か月遅くなってきたようです。地球温暖化のために日本近海の海水温が上昇し、台風の勢力が以前より猛威を振るうようになってきました。これに関しては、これまでにも増して、地球単位の真剣な協議が必要です。政治家先生方は、一層の努力をしていたくようよろしくお願いいたします。
先月新聞にも踊りましたように、今年は出生数が60万人台に突入するようです。韓国に追随するような少子化になってまいりました。8年も前から、私はホームページ上にてこの事態を警告してきたのですが、政治家先生方の当事者意識が希薄なために、ズルズルとこのような事態になっております。、これは、政治家先生方が悪いのではなく、根本的には、選挙制度の欠陥によるものであります。政治家先生方も、当選しなければただの人ということになりますので、当選することを目的として政治を考える人が多いのも仕方がないことです。そのために、人数の多い、票が取れる有権者の方を向いて政治を考えることとなります。現在では老人の方を向く政治家先生方が多いのも仕方がないことです。それでは、各世代の有権者の意見を平等に汲み取ることは難しくなります。特に、小さい子供の将来を考えるような意見はかき消されることとなります。私が、昔から提唱しているように、未成年の子供の権利票を1人0.5票でもいいから、親に与え、選挙でその権利を行使することができるように憲法改正ができれば幸いと考えております。また、各世代により、意見が平等に反映されるように、人口構成比率により、票の価値を修正し、本当の意味での平等が達成されるのが良いのではないのでしょうか。
業務の関係で、10月7日、10月14日および10月20日は完全休診となります。よろしくお願いいたします。当院では、AIによる患者様への質問返答システムを導入致しました。まだ、完全な物とは、ほと遠いのですが、ご活用いただければ幸いです。
厚生労働省による生殖医療の年次届け出報告書において、昨年は詳細なデーター報告を求められ、報告させていただいていたのですが、今年は、データー報告が全く削除されておりました。医療機関によっては不都合なデーター報告が載せられては困るということがあるのでしょうが、これでは患者様がその医療機関を受診する目安が全くなくなってしまいます。日本産科婦人科学会も個別のデーターを公表しておりません。できれば、厚生労働省は毅然とした態度で、データー収集をしていただきたいものです。(それとも、データー収集をするのに8月ではまだ少し早いとお考えで、10月もしくは11月にデーター収集を行う予定ならば、申し訳ありません。)
当院は、開院丸21年を超えました。36年の生殖医療診療経験により培った、細やかで、適切なさじ加減の判断できる職人診療をこれからも継続して行っていくよう努力していきます。
他のクリニックなどで、慢性子宮内膜炎が見つかった場合、早めに生殖補助医療(体外受精や顕微授精)に入った方がいいと、説得される患者様がいらっしゃるということをお聞きしました。もちろん、年齢や卵巣機能、および不妊原因にもよりますが、慢性子宮内膜炎を治療することにより、タイミング療法や人工授精療法により、すぐ妊娠される患者様も多くいます。当院でも、慢性子宮内膜炎の治療後のタイミング療法や人工授精療法にて、すぐ妊娠される患者様も数多くいらっしゃいます。必ずしも早く生殖補助医療に入らなければならいない訳ではありません。よく相談して治療方針を説明してもらうことが重要です。もちろん、慢性子宮内膜炎でも、手を変え、薬を代えても、なかなか改善しない患者様もいらっしゃいます。また、人工授精により再発する患者様もいらっしゃいます。こういう患者様に関しては、治療が出来たら、再発する前にすぐ生殖補助医療(体外受精や顕微授精)に切り替えた方がよい患者様も中にはいらっしゃいます。
昨年より、現在、挙児希望患者様の初診の患者様を1日1-3人に限定しているとお話しましたが、非常に良く妊娠に至る関係(1日1-2人程度が妊娠されます。)で、現在、平日1日の受診患者様数が、30-50人となり、待ち時間が格段に減るようになりました。ただし、申し訳ありませんが、お仕事をされている患者様が多い関係上、午後5時以降および土日の診療のみはかなり混み合う場合もあります。6月より、休診日以外の日曜日に1枠(1枠のみ)ですが、初診を受け付けます。この日は院内での精液検査も可能です。日曜祝日が完全休診の場合は行っておりません。月2-3日行います。
上記しましたように、外来患者様数は、確かに、かなり少なくなってきましたが、患者様数が少なくなれば、本来は、早く診療し、早く帰宅していただくことが望ましいはずです。しかし、業務が少なくなった関係なのか、怠慢になってきた関係なのか、職員の仕事のペースが落ちてきています。もっとテキパキやっていただきたいところですが、患者様数が少ないにもかかわらず、思ったより時間がかかっております。時間稼ぎで仕事をしているのかと疑うこともございます。院長も、逆に職員を??責する機会が多くなってきました。お見苦しいところをさらし、あまり良くない傾向ですが、早く妊娠され、早く卒業される方が多くなりますと、もちろん収入は少なくなります。以前報告させていただいたこともあるように、他院で26回胚移植をお受けになっても、妊娠されたかった患者様が、当院の1回の胚移植でご妊娠いただいたこともございます。しかし、収入の点から考えると、我々の方の収入の方が20-26分の1ということとなってしまいます。職員の給与を上げられないのも実情です。生活習慣病や悪性疾患、老人病を扱うわけではないので、卒業されれば、それで終了となります。失敗する程、利益が上がるということになります。しかし、早く妊娠され、卒業されることが我々の使命と考えております。職員の対応が悪いこともあり、まことに申し訳ありませんが、ご容赦の程をよろしくお願いいたします。できるだけタイミング療法や人工授精までで妊娠したい患者様、もしくはできるだけ早く妊娠したいために体外受精をご希望されたい患者様、患者様のご希望自体がはっきりしている場合は、はっきりとおっしゃっていただければ、それに対応した治療を行うよう最大限の努力を致します。
生殖補助医療により自卵により妊娠に至った49歳の患者様が、無事卒業され、現在、良好に経過されていらっしゃるようです。無事出産に至るように祈っております。
当院で43歳を超えて保険で生殖補助医療を行った患者様にて、大量の差し戻しが、帰ってきました。解釈の違いですが、かなりあとから差し戻されますと、大赤字になってしまします。(診療費)支払い基金に問い合わせても、断定できないと言われ、要領が得ないこともあり、取り扱いが非常に難しい場合があるようです。43歳を超えた患者様に関しては、原則、完全自費にての生殖補助医療をお願い致します。
昨年6月に、また、新たに超音波検査装置を購入しました。より一層効率的な診療に心掛けてまいります。
お待たせいたしました。当院では、早い妊娠をお勧めするために、以前、生殖補助医療が自費診療であった時に、行っておりましたチャレンジコースを、この4月より新チャレンジコースとして、復活させることと致しました。ただ、基本は保険診療なので、保険診療に合わせたチャレンジコースとなります。35歳以上、40歳未満の患者様で、下記の条件を満たす(また承諾する)患者様は誰でも、このチャレンジコースに入れます。高妊娠率を自負するからこそ、できることがあります。患者様に対するデメリットはほとんどありません。ただし、患者様の卵巣機能を損なわないための条件はございます。
- 奥様の年齢が35歳以上40歳未満であること。
- 前病院で生殖補助医療をお受けになられていた場合、すでにお受けになられている保険適用の胚移植が2回以下であること。
- 排卵誘発にて採卵が可能な患者様でAMHが1.5以上の患者様。(AMHが1.5以下の患者様は、排卵誘発において採卵卵子数を増やすためにかなりのFSH/HMG注射量が必要となる場合が多く、卵の質の悪化を招いたり、卵巣機能の低下に繋がりますので、最初に排卵誘発を行うことはお勧めしません。)および月経時FSHの値が10mIU/ml以上の患者様も卵巣機能低下に繋がりますので、入ることをお勧めしません。排卵誘発方法自体は、当方にて決めさせていただきます。
- 受精卵凍結を行うか、採卵周期胚移植を行うかは、状況により、当院の方で決めさせていただきます。
- 胚移植個数(1-2個)については、卵子の質および子宮内膜条件により当院が決めさせていただきます。
- ご主人様の精子条件が極度に悪い(精子濃度が50万/ml以下、精子運動率が10%以下)場合、精母細胞の減数細胞分裂に異常があり、正常染色体の精子が極度に少ないことがあるの、で参加できません。
- チャレンジコースに入る場合は、排卵誘発に入る前に申告していただく必要があります。
当院のチャレンジコースに入られた場合、最初の胚移植において、妊娠に至らなかった場合、50000円の返金(自己負担分の一部払い戻し)を行います。ただし、妊娠した後に、流産になったとしても返金はございませんのでご了承ください。今年4月からスタートしますが、生殖補助医療に入る前に1周期の検査周期が必要となりますので、ご注意ください。(つまり来院されて、その周期にすぐできるわけではありません。)
また、奥様の年齢が35歳未満である場合には、新プチチャレンジコースをご用意しました。
この条件は
- 奥様の年齢が35歳未満であること。
- すでにお受けになられた生殖補助医療における保険適用の胚移植が2回以下であること。
- 排卵誘発にて採卵が可能な患者様でAMHが1.5以上の患者様。(AMHが1.5以下の患者様は、排卵誘発において採卵卵子数を増やすためにかなりのFSH/HMGの注射料が必要となる場合が多く、卵の質の悪化を招いたり、卵巣機能の低下に繋がりますので、最初に排卵誘発を行うことはお勧めしません。)および月経時FSHの値が10mIU/ml以上の患者様も卵巣機能低下に繋がりますので、入ることをお勧めしません。排卵誘発方法自体は、当方にて決めさせていただきます。
- 受精卵凍結を行うか、採卵周期胚移植を行うかは、状況により、当院に決めさせていただきます。
- 初めての胚移植については、原則1個と決まっております。しかし、前2回の胚移植にてご妊娠に至らなかった経験をお持ちの患者様は、2個戻す場合もあります。卵子および子宮内膜条件により当院が決めさせていただきます。
- ご主人様の精子条件が極度に悪い(精子濃度が50万/ml以下、精子運動率が10%以下)場合、精母細胞の減数細胞分裂に異常があり、正常染色体の精子が極度に少ないことがあるの、で参加できません。
- チャレンジコースには、排卵誘発に入る前に申告してしていただく必要があります。
当院のプチチャレンジコースに入られた場合、最初の胚移植において、妊娠に至らなかった場合、30000円の返金(自己負担分の一部払い戻し)を行います。ただし、妊娠した後に、流産になったとしても返金はございませんのでご了承ください。今年4月からスタートしますが、生殖補助医療に入る前に1周期の検査周期が必要となりますので、ご注意ください。(つまり来院されて、その周期にすぐできるわけではありません。)
<当院における生殖補助医療の特徴>
- できるだけ古い卵胞が先に育たないように、新しい卵胞から育つように仕向けます。
- 顕微授精におけるIMSIシステムも特別な料金を徴収せず、無料で行っております。
- 胚培養において、一部の特別な場合を除いて、当院ではすべての卵子をタイムラプスインキュベーターに入れることが可能です。当院では初期の時代よりタイムラプスインキュベーターを使用しており、先進医療として申請しておりません。つまり、タイムラプスインキュベーター培養には特別な費用はかかりません。
- 当院では、胚移植におきまして、子宮内膜と胚をピッタリと同期させることに長けております。
- 当院では、高額な自費検査であるERA、EMMA/ALICE、ERPeak、子宮内フローラ検査などを、滅多に行いません。それらの検査を行わなくても、従来の検査でほとんどカバーできますし、結果を出しております。
- 当院は着床前診断(PGTA, PGTSR)の認可施設です。ご希望の患者様はご相談ください。
- 胚に対して機械的操作を行わない培養液中遊離DNAによる受精卵染色体異常の推測検査を施行しております。ご希望の場合、生殖補助医療に入る前に前もってご相談ください。
色々と誹謗中傷を受けたことや、医療材料費の高騰および、逆に診療報酬保険点数の削減、および妊娠率の上昇により、金銭的にも岸川医師にはご迷惑をおかけすることとなりましたので、残念ながら、3月一杯で、岸川医師には退職していただくこととなりました。岸川医師はこの4月より、分娩を中心とした医院にご勤務されることとなりました。分娩はいまだ自費診療なので、人件費高騰に伴い、分娩費用を上げることができます。生殖補助医療が保険化されたことは、患者様にとって良いことだとは思いますが、一旦保険点数がつくと、あとは勝手に減点されるだけとなり、厳しい世界です。3年間非常にお世話になりました。今後、木曜日は稲垣里咲医師(産婦人科専門医)が毎回診療することとなります。また、毎週土曜日は今北医師(産婦人科専門医)に毎回診療していただくこととなります。もちろん、院長は毎日診療致します。
昨年の出生数は72万6千人程度ということです。外国人を含めると75万人になるということですが、極端な少子化は、止まる気配は無いようです。今年は出生数が60万人台になると予想されております。出生数が60万人台に入れば、自国内での出生では再起不能の人口減状態となります。生殖可能年齢の女性は確実に年々減少しております。以前から申しておりますように、子育て世代の税金優遇や、将来の年金優遇など、かなり思い切った改革が必要と考えらます。現在、減税政策が検討されているようですが、子育て世代に限って、手厚く減税することが必要と考えられます。政府が、3人目が出生したら、1人目2人目の子供の学費も全額補助するというような政策案を立案していますが、上の子が途中で退学や就職したらこの制度から外れるようなシステムでは、途中で梯子をはずされるようなもので、こんなもので3人目を作ろうなどという気にはなりません。院長も、子供が3人おりますが、1人目と3人目は12歳も離れております。もともと2人でも精一杯なのです。上2人はすでに社会人となっておりますので、負担は少し軽くなりましたが、そんな簡単に3人目を作ろうなどという気にはなれないのが現実です。現実離れした政策はほとんど意味がありません。それよりも、1人目から、出生した子供に対して、出生時に50万円、3歳になった時に100万円、6歳になった時に150万円、12歳になった時に250万円、15歳になった時に300万円などの直接の給付金を出すような、方法の方が効果的だと考えます。マイナンバーカードに紐づけた銀行口座に振り込むわけですが、支給年齢時に役所(市役所、区役所、役場など)でのマイナンバーカードを利用した本人確認を行った後に、振り込むというような方法です。財源問題が発生しますが、どうにかして捻出することが必要です。また、現在、未成年には参政権が無いですが、出生した子供に対しても、1ではなく0.5ぐらいの参政権を与え、それは親が施行することができるようにすれば、親は、自分の子供の将来を考え、投票することができます。出生したこどもにも親が行使できる参政権を与えれば、政治家も年寄りだけではなく、若い世代にも目を向けるようになるでしょう。生まれてきた子供にも、健全に生きる権利を与えることが必要です。このためには、憲法改正が必要となりますが、これに対しての議論に関してはおそらく若い世代の人でも積極的になる可能性があると考えます。また、16歳以上になれば、自主的に投票することが可能と思われますので、16歳以上になれば、成人として扱わなくても、普通に投票権を与えるということにしても良いのではないかと考えます。どうしても出生数を増やせなければ、国力の低下に直結してしまいますが、他は、移民増加に頼るしかありません。しかし、国際競争力、経済力が弱くなった、また、為替レートが低くなった英語の話せない日本は、インターナショナルからは程遠く、稼ぎも少なく、魅力も低下しており、そんな簡単に移民を目指そうとする外国人も多くはいらっしゃらないと考えられます。また、治安上の問題もあります。日本の国力や競争力は急速に落ちております。政治の強力な力を期待したいものです。
まことに申し訳ありませんが、日曜祝日出勤可能なシフト人員が少ない関係上、7月は、7月15祝日および7月21日を完全休診とします。ご迷惑をおかけしますが、働き方改革のため、よろしくお願いいたします。
当院では、AMH(抗ミュラー管ホルモン)値が,0.01ng/ml以下の患者様や頻回の胚移植にて妊娠に至らなかった患者様でも、妊娠される方はいらっしゃいます。お困りの患者様がいらっしゃったらご相談ください。また、通常3-4回の胚移植で妊娠できなかった場合、たとえ、それが老化による卵子の質の低下や精母細胞の細胞分裂不全による精子染色体異常による可能性が高いと考えられるも、染色体的にいい卵子および精子に出会えるかというのも運もありますから、別のところで経験したいという転院を考える患者様の気持ちもわかりますので、ご希望があれば紹介状を書かせていただきます。もちろん、当院でも、できるかぎり確率を上げる方法を行ってはおります。不妊治療では、できるだけタイミング療法や人工授精で妊娠に導くことができる医療機関、および体外受精でも早い回数で妊娠に導くことができる医療機関が、もっとも収益の少ない医療機関でもあります。当院での2023年の1月〜12月までに判明した臨床的妊娠率では、良好胚盤胞移植にて、全年齢(45歳以上も含む)の臨床的妊娠率が51.6% (着床率62.0%)でありました。高齢化状況でありながら、この妊娠率には胸を張れると喜んでおります。今後も一層努力していく所存でございます。
厚生労働省が開示した生殖補助医療の治療成績をもとに、業者が出産率を基にしたデーターをまとめ、全国不妊治療病院・クリニック成績ランキングというのを昨年12月に発表しており、当院は埼玉県では1位という評価を頂きました。しかし、少し不満なのは、採卵施行件数が載っていないということです。大手のクリニックなどでは、良好胚盤胞以外は胚移植しないというところもあり、採卵件数に対する胚移植件数がかなり低いところもあります。それでは見かけ上、出産率が高くなるようにできており、本来の比較ができせん。今後は、実際の採卵件数も載せていただければと、期待しております。あと、母校である慶應義塾大学病院の生殖補助医療の成績がかなり悪いことには、非常にびっくりしました。生殖医療に対して教授を作らなかったことが、大きな敗因だと思います。生殖医療に携わった医師は、散り散りに散ってしまいました。
当院は日本産科婦人科学会の着床前診断認可施設ですが、より簡便に染色体異常を予測する検査の提案が検査会社よりあり、当院でも試験的に、施行してみましたところ、それ程精度は高くないものの、ある程度の結果が得られるということが確認されました。その簡便さに驚かされ、この1月より、本格的に、ご希望の患者様において、胚培養液中に漏出してくる遊離DNAの検査を行います。培養液中に剥離してきた遊離DNAを、次世代シーケンサーを用いて、胚の染色体の正倍数性を調べる検査です。受精卵自体に行う操作ではなく、培養液のみ調べる検査です。従って、胚に対しての侵襲的な検査ではありません。ただし、問題点は、場合によっては、遊離DNA量が少ないと、ノイズが多く、断定的な結果が出ないということや、結果が出てから胚移植をご希望する場合、必ず、一旦受精卵を凍結して、結果を待たなければならないということです。受精卵の細胞を取り出して、検査する着床前診断と違い、廃棄する培養液検査依頼書を提出していただくだけで結構です。費用も、細胞を直接取り出す着床前診断よりも、少し、安価でできます。医療保険と自費の併用ということにはならず、着床前診断認可施設でなくても検査が可能です。通常の着床前診断だと、生殖補助医療自体の費用も自費で行わなければならないのですが、この検査の場合、後で廃棄する培養液を調べるだけなので、生殖補助医療自体は保険で可能です。1検体の培養液につき税込み55000円となります。ご希望の患者様は、生殖補助医療に入る前に、前もってご申告ください。この検査をお受けになる場合、1個1個の胚自体を個別に培養する必要があり、培養液自体が共通環境にあるタイムラプス培養器を使用することはできません。
当院では、新型コロナ感染症流行期より、不妊症および生殖補助医療関係の初診は1日に1-3人に限定しております。やはり、混み合うことが、感染拡大を助長するということから、今までの、できるだけ多くの患者様に貢献したいというスタンスから、方針転換し、初診患者様数を限定させていただくこととし、現在では、時間のかかる検査以外は、待ち時間はかなり解消されております。午前中は予定の1時半もしくは2時までには、診療が完了しておりますし、午後では、5時前までの予約の患者様に関しては、長時間待たせることはございません。ただし、午後は3時が開始時間ですが、患者様の希望にて3時の時間帯に15-25人の患者様が予約されていることがあり、同じ午後3時でも、早くいらっしゃっていれば、早く診察ができますが、順番的に遅いと、順番的に2時間くらい遅くなることがございます。また、立地的に、仕事帰りの患者様が多く受診される状況であり、5時以降は立て込むことが多い状況です。そのため、5時以降は来院した順に診察させていただくこととしております。従って、5分―10分くらいの受付時間の違いが、待ち時間1-2時間の違いとなることがあります。しかし、以前は午後9時以降(場合に10時頃)まで診察を行うこともありましたが、現在では午後8時半までにはほとんど終了するようになっております。ただし、問題なのは、午後5時以降しか来れない、仕事優先で考えていらっしゃる患者様には、対応が難しいということです。お身体にとって都合が良い日や時間帯には、仕事の関係で、ご来院できることができないことが多く、こちらとしても、その状況でできる範囲のアドバイスしかできない状況です。スタッフも患者様に、次の段階に移りたいかなどをお聞きするのですが、お忙しいので、はっきりと決められないことが多く、そのまま同じことをズルズルと継続されることが多くて、場合によってはそのままフェードアウトされることがあります。遅い時間帯しか来院できないと、待ち時間も長くなり、不満も鬱積します。悪循環ループに入り込みます。本当は、メリハリをつけて、積極的に考えていただくことが近道になるということをお考えいただくことも、大切かと思います。また、院長の看護職員に対する叱責を指摘される方がいらっしゃいますが、叱責される看護職員はほぼ決まっております。毎回、同じようなミスや間違いを起こす職員で、何度指摘しても、改善されることが難しい職員です。もちろん、本人も努力はしているようですが、毎回注意喚起が必要な状態はあります。やはり、医療では、医療ミスや医療ニアミスが一番の問題です。当院において最近3年間で退職した看護職員は2名しかおりません。1名は13年勤務していただいた看護主任で、残念ながら、親との同居および介護のためにご実家に帰られました。また、もう1名は15年以上働いていただき、この8月に73歳になったことを期にリタイアされました看護師で、相当当院に貢献していただきました。有難いことでした。また、午後7時以降は、夜間専門の看護職員のみで、対応させていただいております。従って、人数上、患者様への対応や、清掃において行き届かないことがありますが、ご容赦の程をよろしくお願いいたします。当院の治療成績においては、日本産婦人科への登録や、学会発表や、関東信越厚生局への報告などで、正確に申請しております。色々な医療機関から、様々なデータを年齢や治療の仕方に区切って、良く見せるような方法でホームページなどに乗せているところがありますが、実際のすべての採卵件数と胚移植件数、そしてその臨床的妊娠率などを載せているところはございません。採卵件数がかなり多いのにも関わらず、実際の胚移植件数がかなり低かったり、特定の方法での胚移植方法に限定して載せているところなど、いい加減なところが多く、本当の比較検討ができません。また、当院を初診で受診され、無事妊娠されて卒業される確率は、判明しているだけで、90%を超えております。もちろん、当院受診され、タイミング療法にてすぐ妊娠されて、そのままご自身にて、分娩病院へ紹介状無くお移りになられた患者様は入っておりません。また、できるだけ、患者様の経済的負担が無いように、心掛けております。生殖補助医療におきましても、日本で最初にAI付タイムラプスを導入したこともあり、そのプライドから、生殖補助医療が保険化されても、タイムラプスの先進医療は申請しておりませんし(つまり無料)、費用はかかならいようになっております。排卵誘発採卵をされて、8個以上の受精卵ができた患者様に対して、AI判定を行うことも、無料で行っております。どの受精卵を着床前診断することが好ましいのかの選別にも役立っております。また、体外受精・顕微授精の精子選別におきましても先進医療を申請せず、無料で行っております。採卵においても、当院では、排卵誘発注射を行わない、クロミッドのような排卵誘発剤を使わないほぼ完全自然周期の採卵が、現在は75%以上を占めております。これは、生殖補助医療をお受けになる患者様の年齢が高齢化し、卵巣機能の悪い患者様が多くなっていることと、年齢の高い卵巣機能の悪い患者様は、その方が1個1個の卵の質が良いという傾向があるからです。卵巣に対する負担もほとんどないことも重要なポイントです。それでも、できるだけ成熟した卵子を採取することに長けております。昨年9月には、採卵周期で採卵授精後、そのまま胚移植を行い、妊娠される患者様は5割を超えました。
当院では、35歳以上の卵巣機能の低下したAMH 1.0ng/ml以下の患者様に対しては、最初は、排卵誘発を行わず、完全自然周期採卵をお勧めしております。もちろん、患者様希望にて排卵誘発を行うこともありますが、排卵誘発を行った場合、それで上手くいけばいいのですが、上手くいかなかった場合、卵巣機能だけがかなり低下し、その後の卵の質に影響を及ぼすこととなります。 一度失われた卵巣機能は回復しません。どういう卵子が採取できるのか、受精卵の質はどうかということを確認するために、最初は完全自然周期での採卵をお勧めします。もちろん、排卵誘発を行って、非常に良好な卵子が採取できた場合、保存して残しておけば、二人目の子供の為にもなるということも考えられますが、それはそれで賭けになります。どちらが患者様にとって良いか、よく話し合って決めることをお勧めします。当院では、自然ながらも、できるだけ卵子を成熟させる方法を編み出しております。
昨年7月1日に行われました埼玉県産科婦人科前期学術集会において慢性子宮内膜炎の検査治療における臨床的妊娠率向上効果および子宮外妊娠予防効果について発表させていただきました(論文発表も済みました。)。
当院は混んでいるというネット上の噂がよくでておりますが、確かに、かつてはできるだけ多くの患者様の助けになろうと頑張っておりましたが、コロナ禍以降、現在では、受診の快適さも考慮し、不妊に関する初診患者様も、1日1-3人に限定しておりますので、以前よりは、(夜間や土日を除いて)かなり風通しの良いクリニックになってきました。また、様々な努力と改良により、患者様の平均年齢は徐々に上昇しているにもかかわらず、臨床的妊娠率は年々上昇しております。これからも、皆様のご期待に沿えるよう頑張ってまいります。
また、最近、流産後に、当院から、都内の大手クリニックに転院された患者様が、また、当院に戻ってこられる事例が多く認められます、大手で着床前診断をお受けになり、正常卵の胚移植を何度もしたのに、一度も妊娠しなかったというような患者様も復帰されておられます。また、大手で体外受精の保険診療枠を使い切ってから、妊娠できずに、当院へ来院され、当院で成功しない原因が判明する方もいらっしゃいます。当院では、個々の患者様に対して、できるだけ詳細に検査し、テーラーメイドを考えた治療を行っております。
生殖補助医療(体外受精や顕微授精)においては、高齢(49歳まで)を含めた全年齢の患者様を含むデーターにおいて、胚移植(新鮮胚および凍結胚、また初期胚および胚盤胞のすべてを含む)に対する臨床的妊娠率は、2019年30.5%、2020年30.2%、2021年36.2%、2022年38.7%と上昇してきております。この年齢幅で、この臨床的妊娠率は、日本最高ではないかと自負しております。また、下記に記載があるように、2022年では生殖補助医療後の子宮外妊娠率が0%になりました。
当院も今年で開院20年、皆様のおかげをもちまして、ここまでやってこれたことを、深く感謝しております。開院当初より、埼玉価格をモットーに診療を行ってまいりました。できるだけ高額な検査や治療を避けて、診療を行ってまいりました。生殖補助医療においても、自費診療であった時は、減額制度を導入し、患者様に負担がかからないようにさせていただくと伴に、保険適応化された昨年からは、できるだけ先進医療を適用せずにできるように心がけてまいりました。これからも、この方針は堅持したいと考えております。しかし、物品の高騰や光熱費の高騰など、かなり負担が増加する場合は、また検討させていただきたいと考えております。
体外受精の患者様には、続けてヒシエキス無償提供させていただいております。また、一般の患者様に対しては、林兼産業製造のヒシエキス商品であるプレグナサポート(錠剤)1瓶30日分を税込11000円で販売しております。ご希望の患者様は受付でおっしゃってください。
慢性子宮内膜炎の精密検査は、場合によっては、早い段階で行うことにより、タイミング療法や人工授精にて妊娠することができるようになる場合があります。当院では、精液検査やヒューナー検査、子宮卵管造影検査が良好で、はっきりとした原因がわからない場合、タイミング療法の早めの段階で慢性子宮内膜炎の精密検査を行ったり、極度に精子条件が悪くないにも関わらず、人工授精を3回以上行うも、妊娠に至らなかった場合も、早めの段階で慢性子宮内膜炎の精密検査をお受けになることをお勧めしております。慢性子宮内膜炎を治療することにより、体外受精に入らずに、妊娠することができる場合があるからです。また、体外受精前に慢性子宮内膜炎の精密検査および治療を行うことにより、以前は大体2%前後に発生していた子宮外妊娠が、昨年は0%となり、慢性子宮内膜炎の治療が子宮外妊娠の発生を抑える可能性が示唆されました。これにより、通常の不妊治療の過程でも、早めに慢性子宮内膜炎の精密検査および治療を行うことにより、子宮外妊娠の頻度が減らせるのではないかと期待しております。
一昨年は、約400組の不妊を主訴とした新患の患者様にご来院いただき、391組様の患者様に妊娠ご卒業いただきました。約400組としているのは、ご夫婦で初診来院され、精液検査を保険でお受けになられた患者様も初診扱いとなることと、ご主人様だけが受診されているケースもあり、不妊夫婦患者様の厳密に正確な数の把握が難しいという問題があるためです。確かに、妊娠に至るまでの期間は患者様によりまちまちですが、かなりの高率と自負しております。妊娠までに、期間のかかりやすいタイミング療法や人工授精療法の患者様も多く、待ち時間に関してご迷惑をおかけしておりますが、ご容赦ください。最初から体外受精をご希望されたい患者様ははっきりおっしゃっていただければ考慮致します。当院の2022年の採卵平均年齢は38.4±4.6歳、すべての年齢の患者様の総合的な解凍胚盤胞臨床的妊娠率は、50.0%となっております。昨年、生殖補助医療が保険化された当初は、かなり妊娠率が上昇しましたが、その後、種々の薬剤の製造問題による、必要薬剤の入手困難に伴い、妊娠率が一時低下しましたが、薬剤の供給状況もやや改善してきており、今後は、より一層の改善を期待できるかと考えております。
(当院の最近の改善点について)
- 胚培養室のきめ細かな温度管理を行うために、新たな空調設備を増設しました。
- 体外受精採卵に使用する超音波検査機を最新型のものに改良しました。
- 第2内診室の超音波検査機器を新しいものに変更しました。
- 今年1月より、新たなAIを備えたタイムラプス胚培養器を導入しております。
- 今年3月より、新しい麻酔器を導入しました。
今年、4月より、神野先生率いる我々のグループは、着床における、(サプリメント)ヒシエキス服用の効果につき、新たな治験を行うことを予定しております。今までは、ヒシエキス服用がNK細胞活性を極端に上昇させる症例があり、着床の時期には服用を控えていただくようお話しておりましたが、神野先生がプレ検査において、ヒシエキス服用をしていただいた方が、妊娠率はやや上昇するものの、流産率が優位に低いことを確認され、今回、我々のグループで症例を集めることを開始することとなりました。ご希望の患者様は、胚移植周期に入る前におっしゃってください。ヒシエキスは1500年以上もの昔から日本で飲用されていたお茶に含まれるエキスであり、現時点では、摂取による明らかな副作用は報告されておりませんので、安全性は確立されていると考えられております。
病院の電子カルテコンピューターにサイバー攻撃が仕掛けれ、身代金要求をされる事態が起こっております。そのために、ほとんど診療ができない事態が発生しております。幸い、当院ではまだ紙カルテを使用しており、レセプト関係コンピューターも外部には接続していないので、まだ心配はしておりませんが、以前、東日本大震災の時も、紙カルテのおかげで、停電時も医療機器の発電機接続だけで診療ができたという実績があり、南海トラフ地震が起こる可能性が高い昨今では、電子カルテに移行するかどうかは難しい問題です。ただ、我々の世代では、紙カルテの方が、診療が早いのも事実であり、悩ましい問題です。
当院の生殖補助医療(体外受精・顕微授精など)における特徴である高臨床的妊娠率以外の特徴に、高採卵率があります。当院では、高年齢・卵巣機能不全の患者様が多く、排卵誘発の適応にならない(排卵誘発をすると卵巣機能低下が激しくなる、また、卵の染色体異常の可能性が高くなる)患者様がほぼ8割近いという状況があります。しかし、採卵しても受精させられる卵が得られない(空胞や変性卵しか取れない)患者様の割合は、採卵数に対して1-3%という極端な低率を維持しております(43歳以上のすべての患者様を含みます)。採卵しても、受精させられる卵子が採卵できないと、採卵料金はかかっても、何もできません。古い卵胞が育ちにくいように、他院とは違う、十分な準備をして、高採卵率を維持しております。病院やクリニックによっては、完全自然周期や准完全自然周期で採卵すると、新しい受精させられる卵子が採卵できないことを恐れて、完全自然周期や准完全自然周期で採卵しないところもあります。また、排卵してしまって、通常は採卵できないような卵胞からも卵子を採卵できる方法も編み出しております。
また、自然の体外受精においても、当院で開発した二段階媒精法にて、できるだけ多精子受精を避ける工夫をしております。(ただし、卵子の未熟性による多精子受精は防げない場合があります。)
また、慢性子宮内膜炎の精密検査もそうですが、子宮腔内の炎症状態を独自に検査し、治療に繋げ、良好な成績を上げております。当院では、非常に高額な検査は行っておりません。できるだけ従来の検査で判断できるように努めております。
また、当院では子宮内膜の着床能の改善のため、2年前よりPRP療法を行っておりますが、当院では、今まで1回につき税込み55000円で行っておりました。患者様の立場を考え、自費診療となりますので、できるだけ安価な値段で、行うことを考え、この値段に設定していたのですが、それでも、希望患者様はそれ程いらっしゃらない状況です。この2年間のPRPをお受けになった後に、胚移植を行った患者様の臨床的妊娠率は33%ですが、2回以上の胚移植を行っても、妊娠に至っていない、しかも、子宮内膜が極度に薄い(厚くしようとしても、簡単に厚くならない)患者様の集団における妊娠率ですから、悪い確率ではありません。もう1年は延長する予定ですが、全くの赤字の状況ですので、そろそろ辞めようかと考えておりました。しかし、業者から、当院の費用金額は日本でも最安値であると教えられ(都内では15万円から20万円程度かかるようです)、今年6月より税込み70000円とさせていただく予定です。それまでにご希望の患者様は外来でおっしゃってください。当院では、PR療法を行い妊娠されるも、一度流産し、その後、全く同じ方法で、今度はPRPを使用しないで胚移植をご希望されるも、妊娠に至らず、次に、再度、胚移植においてPRP療法を使用して、旋回妊娠時と全く同じ方法で行って、再妊娠された患者様も経験しております。PRPは効果のある患者様には非常に有効な手段です。ただ、適切な使い方が重要です。
昨年4月下旬より、続いている薬剤の枯渇状況は、残念ながら、まだしばらく続いております。テレビでも全般的に、医薬品とくにジエネリック医薬品の枯渇が診療に大きな影響を与えているようです。産婦人科領域でも、体外受精で保険適応になる薬剤の種類が少なく、全国で多くの病院が一斉に注文するため、在庫がなくなり、使用ができにくくなっております。また、使用方法にも制限があり、これでは、思うように薬剤を使用できず、臨床成績にも影響が出てきます。(一部の医療機関が買い占めているという話もあります。)当初、昨年9月には落ち着く予定でしたが、もっとずれ込むようになるそうです。工夫を凝らしながら、なんとか高い妊娠率を維持しておりますが、古き良き薬剤が消えていく中、使用できる薬剤に制限がつくようでは、難しい綱渡りとなってしまいます。製薬会社には、誠意頑張っていただきたいものです。
当院の昨年3月における解凍胚盤胞移植1回の臨床的妊娠率が、58%(平均年齢37歳、43歳以上の高齢患者者もすべて含む(着床前診断症例を含まない))に達することとなりました。と喜んでおりましたら、4月における解凍胚盤胞移植1回の高齢者も含む臨床的妊娠率が、68%と、また10%も極端に上昇しました。もちろん、着床前診断の症例は含んでおりません。今回4月分の妊娠率上昇に関しては、たまたま一時的なものとは思いますが、緻密な検査を行うとともに、胚移植方法に改良に改良を加えてまいりました。皆様に期待して治療を受けていただけるよう、一層頑張って参ります。(5月は薬剤の欠品(手に入らない状況)により、代替品使用にて、一時的に落ち込みましたが、6月には62%と回復しております。)この臨床的妊娠率の上昇を受けて、患者様に対して、新たなキャンペーンを行っております。当院で、はじめて昨年6月以降、排卵誘発を行い、(顕微授精を含む)体外受精を行った患者様で、その時に得られた受精卵にて、3回以上の胚盤胞移植を行っても、一度も臨床的妊娠(胎嚢発育を確認できる妊娠)に至らなかった場合、39歳未満で採卵された患者様に対しては、謝罪金として10万円をお支払いさせていただき、42歳未満で採卵された患者様に対しては謝罪金として、5万円をお支払いさせていただきます。昨年6月以降に排卵誘発採卵をお受けになる患者様が対象です。ただし、42歳以上の患者様や、排卵誘発前の抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値が、1.0ng/ml以下の患者様を除きます。これらの患者様に関しては、排卵誘発を行うことにより、卵巣機能が著しく低下する場合や、排卵誘発を行っても得られる卵子数が増えない場合もあり、排卵誘発採卵自体をお勧めできない場合があるからです。一度、卵巣機能が低下してしまいますと、ほとんど戻ることはありません。もちろん、42歳以上の患者様でも、患者様の強いご希望があれば、(謝罪金はありませんが)排卵誘発による採卵をおうけになることは可能です。(ただし、その副作用も重々ご理解いただくこととなります。)また、このキャンペーンに関しては、物価高の影響により、今年4月で一旦終了させていただきます。
2022年4月より、生殖補助医療(人工授精や体外受精など)が保険化されることとなりました。ただし、助成金の時と同様、回数制限や年齢制限がございます。しかし、保険適応で治療を受けられない患者様(保険適応にならない患者様)に関しては、今まで通りとなり、回数減額性も今まで通りの予定です。また、保険点数をみましたところ、今まで自費であった間、当院は、患者様に関して、かなりリーズナブルな価格で生殖補助医療を提供してきたということが、明らかになりました。保険化に伴い、人工授精の回数による初回体外受精の減額制度や、体外受精の採卵回数による減額制度、38歳未満で体外受精が6回以上を超えて、妊娠しなかった場合の、50000円の返金制度など、また、顕微授精の値段(個数による制限なし)、胚凍結の値段(個数による制限なし)など、残念ながら、こういった制度は無くなることとなります。ただし、患者様にできるだけ負担が無いようにさせていただくのは、当院の基本方針です。従って、以下の事に対しては、しばらく続けさせていただきます。
- 当院では排卵誘発を行って、5個以上の卵子を採卵した患者様に関しては、今まで、特別な加算もなく培養においてタイムラプスを使用しておりましたが、これは通常通り継続します。つまり、タイムラプス胚培養器を通常の胚培養器として使用し、しばらくの間、先進医療の適応を申請しません。従って、料金の請求も行いません。
- 最初の体外受精採卵において、排卵誘発による採卵を行った患者様に対して、8個以上の卵子が採取でき、6個以上の受精卵ができた場合、当院で、日本で最初に導入したAI(人工知能)による胚の質診断を使用します。これも、しばらくの間、先進医療としての適応を申請せず、患者様からの料金の請求も行いません。(受精卵指数が6個以内の場合は、実際使用できる卵子は4個以内のことが多く、卵の選別において、それ程有効とは言えない状況がありますので、今までも、お勧めしておりませんでした。)
- IMSIシステムは、顕微授精を行うときに、精子の選別や卵子の紡錘体確認のために威力を発揮し、今までも特別な料金加算をしてきておりませんでしたが、これも、先進医療としての適応を申請せず、患者様からの料金の請求も行いません。
- 二段階胚移植に関しては、すでに認可済みですが、二段階胚移植前にSEET法を行わなければならないという縛りができ、実際施行するにはハードルが高くなっております。
- 卵管内人工授精と子宮内人工授精は、保険点数が分けられていないので、卵管内人工授精に関しては、当院の適応方針により施行させていただきます。
- 当院は着床前診断(PGTA、PGTSR)認可施設でありますが、着床前診断につきましては、日本産婦人科学会の方でも、先進医療が認可されていない状況ですので、体外受精の保険と併用はできないということとなり、すべてが完全自費という場合のみ可能となるということです。(つまり保険の体外受精と自費の着床前診断は併用できないということです)、助成金制度がなくなってしまう状況では、全てが全くの自費ということであれば、実際の施行は現在のところ、かなり難しくなるということです。しかし、すでに凍結保存してあります受精卵に関しては、検査だけ自費で希望するということも可能だと考えられます。詳細に関して、質問があれば院長までお願いいたします。
- 胎児絨毛染色体が保険化されております。胎児絨毛染色体認可施設において、保険適用にて、胎児絨毛染色体検査がお受けになれます。流産の原因が胎児の染色体異常であったかを、それ程費用負担なく、調べることができます。自己負担の費用が、従来の約20分の1程度になります。ただし、当院としても、数をこなすことはできませんので、当院においては、当院の治療にて、ご妊娠された後、稽留流産となった患者様に限らせていただきます。また、当院では、妊娠12週以降の中期中絶および流産手術は行っておりません。従って、その場合は、妊婦検診を受けている施設にご相談ください。
一昨年の診療報酬の改定と少し関係があるのですが、非常に残念なことがあります。今まで、53年もの間続いていた黄体ホルモンの注射がほとんどすべて製造中止になり、使用できなくなることとなりました。もともと、53年もの間続いていた薬であり、安全性が担保されていた薬ですが、あまりにも薬価が低くなり(相対的に薬価が上がらない)、採算が取れないということで、製薬会社が製造中止としてしまいました。薬価が低くなることにより、原薬を海外から輸入する体質となり、それが、手に入らなくなってきたので、製造中止とすることになったという説明がありましたが、もともと日本で製造していたものであり、できないはずはありません。しかし、原薬を日本で作るようなプラント一式を、また立ち上げるには、かなりの費用がかかり、薬価的に採算が取れないようです。製薬会社は製造中止とすることしましたので、体外受精のための使用の保険申請もしておらず、体外受精での適応が無いので、結局、体外受精では使用できないということになりました。採血で黄体ホルモン値を見ながら調節できるので、非常に有用な薬でありましたが、非常に残念なことです。当院でも開院以来、20年の間、自己注射を含め、患者様に使用させていただいておりましたが、今まで、問題のある副作用は一度も起きていませんでした。安全性が担保されて、歴史のある安価な薬ほど、どんどん消失していくような状況です。
今回の生殖補助医療の保険化において、注意すべき観点があります。40歳以下の場合、胚移植は6回まで、40歳以上、43歳未満の場合は、胚移植が3回までということで、胚移植の回数に厳格な限定があり、それを超えた場合は、採卵や授精、受精卵凍結すべてにおいても、保険が適応できなくなります。つまり、それ以降はすべて自費負担ということになるということです。従って、場合によっては、妊娠の可能が高い良好な受精卵が採卵できるまで、貯卵を続けるということも、一つの方針ということになります。また、失敗する訳にはいかないので、胚移植を行う前には、十分な条件検査が必要となります。つまり、体外受精前(特に胚移植前)の十分な検査が必要となります。従って、採卵周期の条件の悪い時期に、受精卵を戻すことが、できにくくなってしまいます。ほとんどの受精卵が凍結されることになる可能性があります。
2年前の日本生殖医学会が開かれましたが、その時に、(子宮内膜症とも関連した講演で)体外受精採卵後におこる骨盤腹膜炎(発生率0.4%-0.04%)についての講演がありましたが、当院では開院以来、1万件以上もの体外受精採卵を行ってきましたが、感染対策を徹底し、一度も採卵後の骨盤腹膜炎自体を起こしたことが無く、こんなことが、演題に上がるとは思いませんでした。これからも、気を緩めず、感染対策を徹底してまいります。
一昨年の1月から10月までの体外受精胚移植後の臨床的妊娠率を、一昨年前の全症例(26-47歳)の体外受精胚移植後の臨床的妊娠率を比較しましたところ、体外受精をおうけになった平均年齢が38歳を超えているにもかかわらず、約4%の上昇が認められておりました。胚移植前の緻密な検査を行うことにより、妊娠率がより改善してまいりました。また、採卵回数に対する胚移植回数も1.37と昨年の1.28と比べて、上昇しております。自然周期採卵がほぼ8割以上であるということを考えれば、より良好な受精卵が得られていると考えられます。今後も、より一層の改善に努めて参ります。
昨年、精子運動性能(SMI)を調べる新型バージョンの機器を導入しました。精子運動性能は精子の授精能力を判別するのに非常に重要な指標です。
子宮内膜組織検査において、一昨年前より新しい器具を導入しました。子宮癌検診で、子宮癌もしくは子宮内膜増殖症疑いが検出された時の子宮内膜組織診断や、不妊症における着床時期を同定するための子宮内膜日付組織診や、慢性子宮内膜炎の検出のための子宮内膜組織診において、ほとんど以前のような痛み無く検査できる機器です。子宮癌検診や慢性子宮内膜炎の場合など、(治ったかどうかの)再検査が必要になる場合がよくありますが、この検査機器を使いますと、かなり痛みが軽減されます。今までは、慢性子宮内膜炎が考えられる場合、抗生剤投与を行うも、痛みのために再検査を行うことがためらわれましたが、その心配がほとんどなくなりました。慢性子宮内膜炎などは簡単に治療できていない場合も多く、強力な抗生剤を入れ替わり投与しても、なかなか治らない場合もあります。そのために妊娠できにくい場合も多く認められます。子宮卵管造影検査やヒューナー検査が良好にも関わらず、頻回のタイミング療法にて妊娠に至らない場合や、人工授精を行うも、精子条件はそれ程悪くないにも関わらず、妊娠に至らない場合、不育症関連の検査と伴に、慢性子宮内膜炎精密検査を行うことにより、かなりの頻度(30-40%)で検出される場合がございます。その場合、慢性子宮内膜炎を治療することにより、治療後タイミング療法や人工授精ですぐに妊娠できることがよくあり、無駄な体外受精を避けることができる場合もあります。人工授精も3-4回行っても妊娠しない場合は、一度検査してみることをお勧めします。子宮内膜の表面の検査だけは検出されない、子宮内膜間質に潜む奥底の感染炎症反応が検出され、治療することにより劇的な改善をきたす症例が見受けられます。特に、人工授精で注入する精子は抗生剤入りの培養液で洗浄しているとは言え、完全に細菌を取り除けるわけではないので、子宮内感染や卵管内感染が起こる可能性もあります。(ただ、この器具はかなり品薄状態であり、この検査だけのために受診される場合は、予約が遅くなる場合がございます。)ヒューナー検査が良好で、タイミング療法を3-4回施行するも、妊娠に至らなかった患者様が、治療翌周期にすぐ妊娠されたり、通常の人工授精を3-4回施行して妊娠に至らなかった患者様が、治療翌周期に妊娠される症例も多くでてきております。
また当院では、一昨年前の9月より、多発性や奥まった位置にある子宮内膜ポリープや、小さい子宮腔内子宮筋腫を、ほとんど出血無く摘出できる新しい装置を導入しました。
また、診察室には、パナソニックのジアイーノを導入致しております。これにより、夜間中、診察領域の消毒殺菌を行っております。
一昨年前の7月の埼玉県産婦人科医会前期学術集会におきまして、当院の40歳以上高齢不妊患者様のART(高度生殖医療)において、ヒシエキスが臨床的妊娠率を30%以上、出生率を25%以上引き上げる効果があることを発表させていただきました。細胞の老化と関係する細胞内の終末糖化産物を減少させる効果を持つヒシエキスが、ARTの成績を向上させる効果が当院でも確認されました。
昨年8月より、レントゲン装置の入れ替え行い、機種としては同機種最新型のレントゲン装置を導入しました。
以前より、全体的には、診療の終了時間が少し早くなり、職員の負担軽減もはかれるようになってまいりました。今後とも鋭意努力していく所存です。ただ、お仕事をされながら通っていただいている患者様が多く、午後5時以降の予約は、塊のような状態となっております。待ち時間がより長くなり、申し訳ありませんが、気長に待てる患者様のみの受診をお願い致します。
ところで、最近危惧しているのは、すでに凍結保存している良好な受精卵をお持ちの患者様が、2人目のご妊娠をご希望されず、廃棄を希望される方が50%超もいるという事態です。胚移植を受ければ、ほぼ確実に妊娠するような患者様が、妊娠を希望されず、お子様は1人だけでいいとお考えの患者様が非常に多くなってきていると痛感しております。胚移植に対する助成金の拡充もあることをお伝えしているのですが、それでもご希望されない方が多いというのは非常に危惧される状況です。もちろん、3人目は希望しないという方は、以前より普通にありましたが、2人目も希望しないということは、ここ最近に多く、非常に残念で、今後、日本にとっては大きな損失となるでしょう。以前は、こんなことはなかったのですが、これもコロナウィルス感染の影響でしょうか。また、子育ての負担をかなり感じていらっしゃる患者様も多いようです。もっと子供を育てやすい環境づくり自体が非常に大切な状況であると思われます。
また、3年前の4月より、さいたま市立病院の産婦人科部長に、大学時代クラブの後輩であった、中川博之先生が赴任されることとなりました。中川先生は、長年、国立病院機構埼玉病院の産婦人科部長をされていた先生で、彼は慶應医学部学年首席で卒業した非常に優秀な先生です。頭も腕も良い逸材です。彼のお母様は産婦人科病院を経営されておられましたが、突然倒れられることとなり、彼は急遽家業を継がなければならないこととなり、一時大学業務(研究・診療)から離れられることとなりました。ただ、非常に優秀な先生だけに、開業を続けることよりも、最終的には発展する先進医療に関わることを選択され、家業をたたんで、慶應の医局に復帰され、国立病院機構埼玉病院に勤務されることとなりました。その後部長となり、今度はさいたま市立病院に部長として勤務していただけることとなりました。彼は、若い頃、一時的に当院に応援に来てくれたこともありました。優秀でありながら、非常に人柄も人間性も良い先生です。さいたまの産婦人科医療の先導者となってくれることでしょう。
一昨年前の11月に行われました埼玉県産婦人科医会後期学術集会におきまして、当院では体外受精における二段階媒精の有用性を報告させていただきました。受精分割率を上昇させる有意な効果を認め、多精子受精を減らす傾向を認めることを発表させていただきました。
当院では、30台以上もの除菌・除ウィルスイオン発生機を持ち(以前より6台増設しております。HEPAフィルターを併用したパナソニックのナノイー、シャープのプラズマクラスター、ダイキンのストリーマーのすべてのイオン発生空気清浄機を導入し、常に27台以上は稼働しており、空間除菌、除ウィルス、除塵に努めており、最高の空間洗浄を行っております。また、それ以外に、新たに殺ウィルス効果(光触媒によるウィルス分解効果)の高いカルテック社の空気清浄機を採用し、待合室、診察室、処置室、手術室、リカバリー病室すべてに設置しております。その上、ダイソンのPM0.1対応(ウィルス不透過型)のpure coolも採用し、待合室および検査培養室に設置しております。院内を空気清浄機だらけにしたことが、院内感染防止対策に役立っていると考えております。オゾン発生器も導入しております。また、冷温風発生の東亜産業のUVクリアエージも導入しました。プラズマイオンおよびオゾン発生器も備え、紫外線による殺菌および殺ウィルス効果も期待できるとのことです。できるだけ皆様の安全を確保させていただきたいと考えております。また、職員も院内のアルコール消毒および次亜塩素酸ナトリウム消毒およびエキシシラン抗菌剤によるウィルス付着防止には力を入れており、院内の消毒洗浄についても力を入れております。
35歳以上で体外受精をお受けになる患者様に関してはヒシエキスの無料配布を再開しております。
当院は、体外受精の着床不全の患者様に対する再生医療である多血小板血漿を用いた不妊治療(PRP療法)の許可施設です。頻回の着床不全の患者様はご相談ください。また、着床前診断の認可施設となっております。検討される方はご相談ください。
現在、当院でお手伝いいただいている非常勤医師の先生方は、今北哲雄先生(産婦人科専門医;東京医科歯科大学卒(土曜日))、獨協医科大学埼玉医療センターの生殖医療専門泌尿器科医(交代制)の先生、稲垣里咲先生(産婦人科専門医;獨協医科大学埼玉医療センター勤務、横浜市立大学卒(木曜日))です。
慶応義塾大学病院の臨床遺伝センター教授の小崎健次郎先生が、一昨年より当院の臨床遺伝相談の顧問となっていただいております。小崎健次郎先生は日本人類遺伝学会の理事長でもあります。ご相談をご希望される患者様は、紹介させていただきますので、ご相談ください。
不育症に関して、特別な検査が必要と思われる患者様に関しては、院長の3年先輩の杉俊隆先生の杉ウィメンズクリニック(新横浜)に紹介させていただいております。ご相談がある患者様は診察時に院長にお話してください。
院内にWi-Fiが導入されております。一度、IDやパスワードが変更されておりますので、院内に張り出しております。また、Pepper 君が新しくなり、不慮の事故の関係で、しばらくお休みしておりましたが、修理を受け、帰ってまいりました。しかし、現在、院内の多くの空気清浄機のため、電源が取れずに警備員として裏方に回っております。
慢性子宮内膜炎のことが、急に取りざたされておりましたが、院長個人としては20年以上前から、当院では16年も前より、子宮内の炎症状態に着目しており、子宮腔内炎症反応検査、子宮腔内細菌検査、子宮鏡検査、子宮内膜組織診などを行っております。最近、急に気にされる患者様もいらっしゃいますが、適切な時期に検査を行っておりますので、ご心配なさらないでください。
手術室、検査培養室、リカバリー病室において、新たなエアーコンディショナーを増設設置しました。非常用および室内温度の安定に使用しております。
万一の場合に備え、新たに非常用蓄電器の増設を行いました。検査胚培養室に無停電装置の増設を行いました。
当院が日本初で導入した人工知能付の胚培養器のAIシステムが、最新型にバージョンアップされております。また、一昨年11月より、新たに自動胚凍結器を導入いたしました。コストは従来よりかかることになるのですが、より安全に、一律の技術で胚凍結をできるようになりました。主に、自然周期採卵で、どうしても受精卵を凍結しなければならないような患者様に使用することとしております。
当院では新型の精子運動機能解析検査機器(SMAS)を導入致しております。今までの精子機能検査とともに、より精密な精子機能を測定することができるようになりました。当院では今までの精子運動性能検査と伴に、ダブルで精子運動機能を評価できることとなり、精子の詳細な評価を行うことが可能になりました。また、院長の机において、微細な精子の動きが観察できる新型の顕微鏡を導入しております。
顕微授精におきまして、正常染色体の精子の選別に役立つ選別液を使用開始することとなりました。
私(院長)の尊敬する先輩であるウィメンズクリニック神野の神野正雄先生が10年以上前より、高齢不妊の糖化による(卵や子宮内膜)などの老化に対して、ヒシエキスの改善効果を研究されておられましたが、3年前4月の日本産婦人科学会総会や昨年7月の受精着床学会でも、再度追加報告をされており、かなりの改善が見込めるとのことです。神野先生は、年回りがよければ慶應の教授にもなっていたような非常に優秀な方です。ヒシエキスには糖化による老化を抑える作用(抗糖化)があり、これが卵の質および子宮内膜の質にも効果的なようです。(詳細に関しては診察時にお話しさせていただきます。ご関心のある方はお聞きください。)服用の仕方にも注意事項がありますので、院長にお尋ねください。
さいたま市立病院が昨年1月から新病院を開院しました。すべての設備および機能が旧病院から新病院に移される予定です。院長も内覧会にお伺いさせていただきましたが、非常にいい設備および、いい環境となっております。何かあったら入院をしたいくらいの病院です。きっと、分娩の取り扱いも増えることでしょう。
4年前の日本受精着床学会にて、AI胚培養器の臨床成績(有用性)を正式に発表させていただきました。臨床的妊娠率に限って言えば、7割弱の妊娠率ですが、着床反応だけというのも含めれば、ほぼ9割にも達しています。同じ機器を導入した先生の中に、そこまで妊娠率が上昇しなかったとおっしゃる先生もいますが、それは着床条件を完璧にしていなければ、どんないい受精卵でも着床しない、妊娠しないということです。また、私の発表の趣旨は、PGS(着床前受精卵染色体(遺伝子)スクリーニング検査;;現在の呼称はPGTA)が自由にできる国で開発されたソフトを使った方が、より正確で効率的な判断を下せることができ、進化も期待できるというものです。また、今後、日本でPGS(PGTA)が解禁されれば、こういったAIで選別された良好卵だけをPGS(PGTA)に使用すれば、より効率的にPGS(PGTA)を活用でき、費用も抑えられますので、より一層の今後の改善が期待できると考えております。
<セントウィメンズクリニックの新自然周期採卵>
当院では、刺激周期採卵から、完全自然周期採卵まで、すべての排卵誘発もしくは無誘発による体外受精を行っておりますが、当院の排卵誘発剤を使用しない完全自然周期および准完全自然周期の特徴としては、老化してしまった(ホルモン分泌の悪い)時の不良な自然ではなく、若かりし頃(ホルモンの分泌が十分にあった頃)の自然周期採卵を目指しております。年齢が高い、卵巣機能不全に陥っている患者様に、全くの自然周期採卵を行ってもいい卵が採卵できる確率は低いだけと考えております。従って、大手のように、2-3割が変性卵や空砲のため受精させられないということがなく、受精させられない卵しか取れない、もしくは空胞であるということは、極端に抑えられております。(昨年1月から6月までの統計では6.2%)。若かりし頃の、ありし日の自然周期という考え方が大切だと考えております。できるだけ、先に新しい卵が育つようにする処置〈変性卵や空胞卵胞が育たないようにする処置〉、および卵ができるだけ成熟するようになる処置(つまり、受精卵が先に発育しやすいようにするために)、そして、できるだけ染色体正常の卵が得られやすいようにするなどの処置を組み合わせて行っております。また、当院は自然周期でも体外受精の回数による減額制度が適応されます。
2017年1年間の採卵数に対する臨床的妊娠比率は0.44(44%)となりました。最後に少し減少したのは、年末年始の休診のため、採卵しても胚移植ができなかった(つまり凍結して保存する)症例が増えたためと考えられます。また、一昨年、11月および12月の採卵において、完全(もしくは准完全)自然周期採卵の比率はいずれも84%超に上昇しているにも関わらず、(空胞を含めた)採卵できない、もしくは採卵したにもかかわらず受精させられない変性卵しか採卵できないという確率は全採卵数のたった3.4%および1.5%であり、大手の20-30%と比べて、圧倒的に低い確率なっております。当院では、十分な準備により、極端な卵巣機能不全の患者様を除いて、大手の唱えている遺残卵胞などとは、ほとんど無縁の状態です。
ERAという着床能を調べる遺伝子検査がでてきておりますが、クリニックによっては、患者様から自費で15万円以上もする高額な費用をむしり取っているところもあります。しかし、全くとはいいませんが、実際、このような高額な検査はほとんど必要ありません。これらの医療機関は、医師が子宮内膜日付(着床時期)組織診断を正確に読めていないから、起こる場合が多く、産婦人科医師が自分で子宮内膜組織を見ていない医師が多いから、こういうものに頼らざるを得ない医師が多いと考えられます。また、かつてはこの子宮内膜日付診検査にかかわる排卵時期の特定を基礎体温表だけで行っていた時代がありました。病理医には得手不得手があり、子宮内膜の時期について本当の正確な時期についてあまり知らない先生もいらっしゃいます。病理医の仕事のほとんどは悪性か良性化を判断するもので、もちろんこれが一番重要です。先生方は、子宮内膜についての教科書的な時期についての知識は持っていらっしゃいますが、教科書的な記述自体も、実は正確ではありません。時期や黄体ホルモン値の違いにより、どうしても微妙な差が出てしまうのです。それは採取時の正確な時期や黄体ホルモン値を知らされていない病理医の先生にはわかりません。病理の先生に頼るだけではなく、自分で見て判断できる医師でないと本当には正確に判断できません。私自身、着床においてインテグリンの発言などを遺伝子的(mRNA)および上皮細胞発現的に調べたことがありますが、時期や黄体ホルモン的によりかなり違うことを知っております。かつて、子宮内膜のImplantation Window(着床の窓)は4日間程度あると考えられていました。しかし、例外はありますが、現在は1-2日であると考えられています。実際、患者様によっては、排卵前から黄体ホルモンが上昇し始める方や、排卵しても黄体ホルモン値がすぐ上昇しない患者様がいますので、実際の1-2日のImplantation Windowが±1-2日された4日程度と判断されていた可能性が高いと考えられます。従って、いかに排卵の時期および黄体ホルモンの上昇の時期を正確に特定するか、ということが重要になり、これによる本当の子宮内膜日付診断が行われることが重要ということになります。また、着床というものは、時期だけではありません。着床を妨げる因子の有無、子宮内膜が免疫的血液凝固能的にうまく受け入れる体制にあるかの問題点、受精卵自体の着床時期などが関与しています。こういったことを総合的に判断し、着床させることが重要です。そういったことをせずに、高額な着床能検査をふっかけるのは言語道断と考えます。子宮内膜日付組織診断だけなら自己負担数千円ですみます。古き、安き、良き検査を確実にシミュレーション的に施行する方がよっぽど正確なことがわかります。
院長は医師生活37年目となり、知識・経験・技術のバランスが最高潮の時期を迎えることになりました。これからの10年を多くの患者様の喜びのために、真っ直ぐ精進してまいりたいと思います。特に、生殖医療の歴史を知る一員として、患者様の相談に真摯に対応してまいりたいと思います。
現在、本格的にネット予約システムが本格稼働しております。よくわからない場合や、ご希望の枠が予約できない時は、今までのように、電話でお問い合わせください。また、院長の不妊患者様初診については、ネットで予約できる曜日・時間帯とそれ以外の予約枠がありますので、ご都合が合わない場合は、電話で予約をお願い致します。電話予約枠には、午前・午後・土曜日などがあります。
(世界最高の妊娠率をめざして)
当院では、体外受精・顕微授精において、日本ではじめて、2018年3月よりAI(人工知能)付タイムラプス胚培養器を導入しておりますが、AI胚培養器を持たずんば、ARTクリニックにあらずというような様相を呈してきました。昨年のこのAI胚培養器を利用して、卵を選別し、胚盤胞(AIランク平均2.3(1〜5までのランク付けがあり1が一番良好なものです。))を移植した全患者様の臨床的妊娠率が驚愕の68%とほぼ7割に達しました。人工知能付胚培養器は主に、排卵誘発を行って8個以上採卵できた患者様にお勧めしております。この結果を見ると、40歳までの若い患者様では、卵巣の機能が悪くない限り、成熟させる排卵誘発によって、ある程度卵を採卵した方が、メリットが大きいように思われます。若いうちに、早目に体外受精をお受けになって受精卵を残しておくのも考慮すべきことではないかと考えられます。当院では、ほとんど副作用が起こらない方法で成熟した卵子を採卵できる排卵誘発胞を開発し、至極安全に排卵誘発採卵を行っております。また、ある程度の数が採卵できた場合は、体外受精と顕微授精を併用し、良好な卵の方を使用できるというメリットもあります。若干未熟な卵子の場合、顕微授精による細胞膜や細胞質に対する刺激のためか、顕微授精の方が、受精後の胚発育が良好な傾向があります。また、これに伴い2017年、当院では、妊娠数がほぼ同じにもかかわらず、体外受精採卵数を3年前より96件減らし、全胚移植数を104件減らしました。つまり、妊娠効率が格段に上がり、体外受精採卵および胚移植を繰り返す患者様が減ったということです。(初診受け入れ数は、全く変更しておりませんので、出入りする数がほぼ同じなので、妊娠数がほぼ同じなのは当然のことです。ただ、残念なことに、高価な機器を導入したにもかかわらず、その効果のために、逆に収益は下がるということです。この人手不足の時代に難しい問題です。だからといって、初診の患者様の対応には慎重さと時間がかかりますので、簡単に初診数を増やすことはできませんし、そのつもりはありません。いまだに、金をかけて支店を増やしているクリニックがあることが信じられません。改善すれば改善する程、逆に利益は出ないはずです。)
当院では、43歳以上の患者様、40歳以上で、月経時FSH値が10mIU/ml以上の患者様、40歳未満でも、月経時FSH値が12mIU/ml以上の卵巣機能不全の患者様を対象に、完全自然周期採卵もしくはレトロゾール内服(5-10錠/周期)のみの自然周期採卵を施行しております。これらの卵巣機能不全の患者様に対する自然周期採卵の(胎嚢発育)臨床的妊娠率を、採卵あたり、25.9%、胚移植当たり、31.8%まで高める方法を開発することに成功しました。大手クリニックでは、やみくもに自然周期採卵で採卵しても、変性卵や空砲なども多く、採卵当たりの臨床的妊娠率が15%以下という成績などをひた隠しているところもありますが、当院のこの成績は胸を張れるものと確信しております。(一部を一昨年11月の埼玉県産婦人科医会総会で発表済)
セントウィメンズクリニックは、3階に事務所部分を移し、新たに会議室スペースを設けております。診療所部分は以前と同様に4階だけです。4階の待合室が混み合っているときは、3階の会議室を多目的スペースとして開放することがあります。ただし、診療所に受付している患者様のみが使用できます。残念ながら、いわゆるキッズスペースはありませんので、できるだけお静かにお願いいたします。4階奥にできる新たなスペースは、培養検査機器部門で使用し、新技術に対応することとなります。
2018年3月より、当院が日本初の導入となった最新型の人工知能付タイムラプス胚培養装置の勢いが止まりません。当院では2台導入しており、どんな患者様にも対応できるようになりました。今までの培養器とは桁違いの費用がかかりますが、人工知能(AI)機能が付き、膨大なデーターをもとに、AIがどの受精卵が妊娠率の高い染色体異常の少ない卵かを自動的に判別してくれます。当院では、この機械を使用するからといって、全く患者様に増額分の料金を転嫁しておりません。人工知能を使用するにあたり、自費診療の場合、費用(一回あたり税込約33000円)はかかりますが、業者に払うライセンス代金・特殊培養容器代金・機械代金を考慮しますと、この費用には当院の利益は全く含まれておりません。当院はこんなことで患者様からお金をいただこうなどとは考えていません。この機械の有用性、将来性を見込んで導入致しました。どんどんと世界中のデーターを蓄積し、進化していきます。排卵誘発を行い、ある程度の数の卵が採卵でき、卵の選別を行える患者様には最適な装置であり、かなりお勧めです。他院で何度も胚移植を繰り返したのに、妊娠に至らず、当院でこの機械を使用し、AIが選んだランク1の卵を胚移植して、1回目の胚移植で妊娠に至った患者様も出てきております。PGS(PGTA)(着床前受精卵染色体スクリーニング検査)を行うよりも、かなり安価でお得な装置です。非常に面白いのは、今までの基準により4AAとかなり良好にランクづけされる胚盤胞でも、人工知能によって、あるものはランク1とあるものはランク3もしくは4とランク付けが違う点です。胚盤胞に至るまでの経緯を判断してランク付けするために、人間では簡単に判別できないより良好な卵を選別することが可能になった点です。実際、当院での9月上旬までに人工知能付の胚培養器でランク1もしくは2と判断された胚盤胞を胚移植した患者様の臨床的妊娠率(胎嚢発育)は57%を超えております。ただし、完全自然周期採卵などで、4個以内の卵を採卵し、受精させるような患者様にはそこまで価値がないかもしれません。すべての卵が受精するとは限らない上に、分割不良の卵もあれば、実際使える卵は2個以内ということがあります。また、それだけしか戻すことのできる受精卵がない上に、受精卵の染色体異常が100%の確率で判別できるわけではないからです。あくまでも、いくつか卵がある上で、その中で良好卵を選別する手段として有効だと思われます。当院では、8個以上受精させられる卵がある患者様にお勧めしておりますが、現在、9割以上の患者様がご希望されておられます。特に、ご年齢が30台後半から41歳までの卵巣機能の悪くない誘発可能な患者様にはお勧めです。これらの患者様は、たとえ自然周期採卵で妊娠したからと言っても、2児目をご希望された場合、2,3年後の採卵ともなると、卵巣機能が悪化している場合が多く、前回と同じような卵が採卵できるわけではありません。そのために、何度も採卵体外受精を繰り返すようになります。しかし、誘発可能な患者様の場合は、誘発して受精卵を選別し、2児目のために残しておけると、若い時の卵を使って、2児目の妊娠を試みることができ、より確率が高まります。
6年前より体外受精におけるICSIにて、変性卵の発生率を極限にまで低下させるため、最新型のピエゾICSIマイクロマニュピレーター装置を導入しておりますが、現在、かなり良好な結果を得ております。
当院で腹腔鏡検査手術を勧められた患者様で、ご不満な方がいらっしゃると聞いておりますが、30歳代前半までの卵巣機能の悪くない患者様に対して、当院では、不妊原因がはっきりしない場合や、子宮卵管造影検査で癒着や卵管水腫など怪しい所見が認められた場合、重度の多嚢胞性卵巣症候群で卵の質が問題と考えられる場合、子宮卵管造影検査ではっきりとした所見が無くてもクラミジアに感染した既往がある患者様(膜性の癒着などがある場合があります)、子宮内膜症が疑われる患者様に対して積極的に腹腔鏡検査手術をお勧めしております。それは、体外受精を行って妊娠したとしても、不妊原因の根本的な治療を行っていないため、次の妊娠も体外受精にならざるを得ないからです。もし、腹腔鏡検査手術にて原因が判明し、治療ができて妊娠した場合、次の妊娠も自然妊娠できる可能性が高くなります。現在、当院では腹腔鏡検査手術を施行しておらず、すべて、近隣の関連病院や私の先輩や後輩が勤めている病院に紹介させていただいております。従って、当院には一切利益はありません。あくまも、患者様のためを思って紹介させていただいております。
体外受精排卵誘発において、注射による排卵誘発は毒(卵の質が悪くなる原因)だというように啓蒙している大手クリニックなどがありますが、排卵誘発にはそれぞれのやり方のメリット・デメリットがあります。これを熟知して、それぞれのやり方をうまく使い分けるのが一流の医療機関だと私は思っております。注射による排卵誘発は、採卵卵数を増やすだけではなく、排卵を抑えながら採卵時期を遅らせる(引っ張る)ことにより、卵子をより成熟させることを行うことも可能です。つまり、受精して先に進みやすい卵子を作ることが可能となります。確かに、排卵誘発が強すぎると卵の質が悪くなることがありますが、そこは手加減で、強すぎず弱すぎずうまく調節することが必要になります。特に、30歳代後半、40歳前に注射による排卵誘発が注目を浴びております。この年代では若い時期と違い、卵の成熟が悪くなってきます。もちろん、自然周期採卵でも妊娠できることも多く、卵巣機能がすでに低下している患者様の中には完全自然周期採卵を施行した方が良い場合もあるのですが、この年代で妊娠した場合、次の妊娠をご希望されるのが、2-3年後、つまり、ほとんど40歳を超えることが多く、この時、前回妊娠時と同じ卵子が得らえるかというと、非常に難しいことが多いのが実情です。1人目をすぐ妊娠したにもかかわらず、2人目には、何度も行っても不成功ということもよくあります。しかし、前回と同じ受精卵が残っていれば、その卵子を使って、簡単に2人目を妊娠できることがあります。40歳直前で、未婚ながら、老化する前に自分の卵子を排卵誘発採卵して保存しておきたいというような女性がいらっしゃいますが、未受精卵は不安定で解凍して使用しても、成績はそれ程よくありません。受精させた卵なら、安定して凍結保存しておけます。不妊治療において、30歳代後半から40歳代前半が一番多い現在、2人目を見据えた体外受精という考えも重要になってきました。自然周期採卵のメリットは、排卵誘発により、変に強く引き起こされるかもしれない染色体異常の発生頻度を減らすことができるかもしれない、つまり、採卵卵子は少ないですが、1個1個の卵子として染色体的に質がいいかもしれないということが一番重要ですが、年齢的に発生する染色体異常の発生頻度を超えて、卵の質が良くなるわけではありません。また、あくまでも自然周期採卵ですから、変に排卵を抑えて成熟させることはできず、採卵時の卵の成熟が足りないということもあります。また、大手クリニックでは、自然周期採卵と称して、ほとんどの患者様に、クロミッドやセロフェン(クエン酸クロミフェン)を使用している場合がありますが、このクロミッドは、卵巣の機能の良い若い方には軽い誘発方法として通っていても、卵巣の機能の悪い高齢の方には、注射で排卵誘発を行うより、より強い誘発方法になってしまう場合があります。つまり、逆に卵子の質がより悪くなる場合があります、これはクロミッドの強い抗エストロゲン作用によります。高齢で、月経時FSH値が10mIU/ml以上になっているような卵巣の機能が落ちかけている患者様に対して、クロミッドを使用した場合、卵胞発育途中で血中FSH値が30mIU/ml以上、場合によっては50mIU/ml以上になってしまう場合がよくあります。脳下垂体が、エストロゲンが全く出ていないと錯覚させられるために、更年期と同様、脳下垂体がかなり強く卵巣を刺激するためです。これでは、注射による排卵誘発よりもかなり強い排卵誘発になってしまうことになります。クロミッドだけで、卵子が4個以上も育ったからといって、喜ばしいことではありません。注射による排卵誘発卵子よりも(染色体的に)質が悪くなるケースが多くなります。また、大手のクリニックが自然周期採卵にクロミッドやセロフェンを使いたがるのには別の理由もあります。こういうクリニックでは1日に何十人という患者様の採卵を順次行わなければなりません。朝早い人もいれば、昼頃になる患者様もいます。でも、時間が遅くなって、勝手に排卵してしまっては、採卵できなくなります。患者様から苦情もきます。しかし、クロミッドやセロフェンを使用していると、その抗エストロゲン作用により、自然のLHサージが早く起こりづらくなり、数時間以内程度では勝手に排卵しにくいというメリットがあります。もちろん、卵子の成熟を助けるという別のメリットもありますが、前述したように、30歳後半、特に40歳以上の卵巣機能が落ちかけてきた患者様では、クロミッドがかなりの強い排卵誘発に化けていることがあり、要注意です。
難治性不妊症および反復体外受精不成功患者様に対して、当院独自のシミュレーションET、古卵胞(前周期卵胞)閉鎖卵胞処理による新鮮卵採卵、子宮内炎症検出と治療および子宮内膜肥厚法、厳重な黄体期管理などを用い、できるだけのテーラーメイド治療を行って、着床率を上げ、結果を出してまいりたいと思います。
当院では、独自の古卵胞(前周期卵胞)閉鎖卵胞化処理を行い、自然周期採卵でも、できるだけ新しい卵子を採取することに努力し、良好な結果を得るようになってまいりました。他院で、変性卵しか採取できなかった患者様や、空胞で卵子を採取できなかった患者様が新しい卵子を得ることに成功しております。特に、自然周期の場合、誘発採卵周期と違い、自然排卵を抑え込んでしまう処置を行わないので、最初に大きくなってきた卵胞や、ホルモン値により採卵を合わさざるを得ないことが多く、その場合に、最初に育ってきた一番手の卵胞が空胞であったり、変性卵であったりすると、たとえ2番手3番手の卵子が採取できても、未熟なことも多く、成果につながらなかったりします。しかし、最初に発育してくる卵胞が、新鮮な卵胞であれば、成熟も良好なことが多く、結果につながります。ただし、年齢や卵巣機能低下による根本的な染色体異常の発生頻度を低下させるまでに至っているわけではありません。精子は細胞分裂により新しい精子が順次つくられていきますが、卵子はもともと胎生期にすでに作られているものが、順次排卵しているだけで、基本的には新しい卵子が作られているわけではありません。若い最初の頃は、それこそ活きのいい、まだ細胞老化が進んでいない卵子が排卵していきますが、だんだんと残り物になってきます。長い間、第一減数分裂の前期(複糸期)で停止していた残り物の卵子の問題は、細胞(骨格)老化により、最後の減数分裂を起こすとき、染色体の分離不全(不分離)を起こしやすくなっています。つまり、染色体がきれいに分かれずに、ちぐはぐに分かれることにより、染色体数が多い卵子や染色体数が少ない受精直前の最終卵子ができてしまうこととなります。現在、これを根本的に改善する手立てはありません。改善するかのように様々なサプリメントが出ていますが、ほとんどが眉唾ものです。
当ビルは、新しい基準にて建築および防火処理されており、問題はありません。また、新たに3台の新型空気清浄機を購入し、院内の24時間稼働の空気清浄機などはすべて5年以内のものを使用することと致しました。当院で手術処置をお受けになる患者様は、病室ドア内側に、3方向の避難経路が記載してありますので、御確認ください。また、万一夜間に漏電でもあれば、セキュリティ会社と連動しておりますので、院長に緊急連絡が入ることとなっております。
当院では、リスクを考え、新たに緊急対応用蓄電器を増設し、不意な停電でも完全に検査培養室の電源が足りると伴に、通常に準ずるような診療ができるようにしております。東日本大震災時には4台の発電機にてなんとか対応でき、直後より緊急対応用蓄電器を導入したものの、それですべての電源が供給できるわけではなく、不安な状況でしたが、今後は安心して対応できるようになりました。
当院では、体外受精におきまして、新たに最新型のレーザー装置を導入開始しており、自由自在にアシステッドハッチングができるようになっております。当院では、胚盤胞移植を行うときに、移植当日にそのまま着床がおこるように子宮内膜の状態を設定しておりますが、中には、思ったより胚発育が若干遅く、そのまま着床できにくい場合もあります。しかし、最新型のレーザー装置を使用することにより、ほとんど透明帯から脱出させることができるようになり、移植後そのまま着床させることが可能となりました。そのためか断定はできませんが、現在、ほとんど体外受精胚移植後の子宮外妊娠がおこらなくなりました。
また、当院では、デジタルレントゲンを導入致しております。レントゲン撮影時の患者様の放射線被ばく量が2分の1から10分の1になるとのことです。子宮卵管造影などの患者様にも撮影者にもかなりメリットがあります。
院長は、高価な車や装飾品などには全く興味がありません。その代わり、常に最高の診療ができるものを取りそろえたいと考えております。(省エネやEcologyには最大の関心を持っております。)
最近、卵巣機能不全症や閉経や癌治療などにより、ご自身達の卵子にて体外受精が不可能なご夫婦が、タイやマレーシアや韓国や米国などの海外に渡航して、他人の卵子を得て体外受精を受ける症例が新聞などにより取り上げられております。こういう国で日本人同士を仲介する業者もいるようです。御主人の精子と他人から提供された卵子によりできた受精卵を奥様が妊娠され出産されるケースが多く、女性にとっても、ご自身がおなかを痛めて産んだ子供ですので、遺伝的につながりが無くても、ご自身のお子様として受け入れられやすいようです。
日本では、提供者は無償である上に、親子関係の新たな法整備ができていないため、なかなか難しい状況にあります。男性の精子提供が昔から施行されているのに、女性の卵子提供は難しいというのは、女性にとってはなかなか受け入れられるものではありません。今後、色々と議論がされ、法整備が進むように期待しております。
当院の体外受精におきまして、卵巣機能不全症で卵巣の予備能力が低下していることが確認される患者様に対しては、最初は誘発周期ではなく、できるだけ自然周期採卵を行うように勧めております。特に、38歳以上40歳未満の患者様で、月経時血中FSH値が15 mIU/ml以上の患者様や、40歳以上で、月経時血中FSH値が12mIU/mlの患者様、また42歳以上で月経時血中FSH値が10mIU/ml以上の患者様などです。また、DHEA-S値やAMH値も参考にします。38歳未満でも卵巣機能が明らかに低下していることが確認される患者様もお勧めしております。1回の採卵あたりの妊娠率は若干低下しますが、排卵誘発による卵巣機能の一層の低下や閉経までの期間短縮に陥る(閉経加速)ことを避けるためです。また、卵巣機能が低下していることが確認され、排卵誘発に反応しにくい40歳以上の患者様においては、卵巣刺激による排卵誘発自体が卵子の染色体異常を誘発してしまう可能性が高いと考えられます。当院では自然周期採卵では、子宮内膜が異常に薄い、子宮内腔より出血している、日程的にどうしても無理などの特別なことが無い限り、受精卵を凍結する症例は2%もありません。ほとんどが採卵した周期に胚移植を行うこととなります。前もったシミュレーションETの技術を組み合わせると着床時期をできるだけぴったり合わせることも可能となります。詳しいことは外来診療でお聞きください。昨年には48歳で御妊娠となった患者様もいらっしゃいました。また、40歳以上で、卵巣機能不全のために、直前の月経時FSH値が30 mIU/ml以上の患者様でも、妊娠に至る患者様を経験しております。ただし、何が何でも自然周期が良いというわけではありません。誘発周期には誘発周期の利点があります。誘発周期の方が、妊娠の確率が高くなる場合も多々あります。30代後半の患者様など、受精卵を残しておければ、2人目をお考えになる場合も非常に有利です。40歳を超えて新たに体外受精をお受けになるよりも、若い時の受精卵を残しておければ、その卵子を移植する方が妊娠の確率が高くなるのは明らかです。当院ではすべての誘発・非誘発方法に熟知するとともに、常に最高の判断力と技術を提供できるように努力致します。
当院では着床率を上げるため、一昨年より、当院独自のシミュレーションETの開発に取り組んで参りました。できるだけ、子宮内膜の着床条件と卵の状態をぴったり合わせることを行うことにより、着床率の改善に寄与するようになってまいりました。胚移植数がより制限され、妊娠率の低下が心配される中、胚移植における着床率を上げることは至上命題です。胎嚢発育および出産に関しては受精卵の質(受精卵染色体異常の有無および卵細胞質成熟)が最も関与しているためです。しかし、受精卵1個あたりの着床率を上げることにより、隠れた妊娠超初期の不育症を洗い出せるようになってまいりました。また、平成25年7月に当院において、妊娠率が向上するという某社の胚移植用培養液を試してみましたが、解凍胚盤胞移植(全年齢を含み、良好不良胚盤胞両方を含む)において、妊娠率(胎嚢発育率)が使用群67%(4/6) 未使用群65%(13/20)と有意差なく全く変わりませんでした。このことは、いかに内膜とぴったり同期させるかということが非常に重要であることを示しております。
当院は、最新式のオリンパス製の卵子紡錘体検出器を設置いたしております。顕微授精において、卵子にできるだけ障害を与えないように行えるようになります。当院では最近、卵巣機能不全症や高齢のため、排卵誘発を行わずに完全自然周期にて採卵を行うことも多く、1−2個の卵子のみを採卵し、顕微授精を行うことも頻回となり、少しでも、できるだけ卵子に損傷を与えないように施行することが重要になってきました。もちろん、特別な加算金はありません。すべての料金は今までどおりです。また、最新型の細菌感染を防御することができ、温度変化を最小限におさえることができる無加湿型のG185インキュベーター(培養器)を新しく導入しました。これにより、より厳格な環境で卵培養ができるようになりました。
当院では、「電話予約がかかりにくい。」、「予約が取りづらい。」という患者様のお声があることから、携帯専用の予約電話を設置することとしました。電話番号は09047550103となります。ただし、電話時間は、平日10:00-13:00 15:30-19:00、木曜日土曜日は10:00-13:00までです。これ以外の時間帯は、職員の人数上、対応できません。また、日曜休日は取り扱っておりません。もちろん、今までのとおり、通常電話でも診療時間内の予約受付は取り扱っております。
日本の男性不妊の第一人者である岡田先生が創設した独協医科大学付属越谷病院泌尿器科と提携し、月2回の土曜日および平日月1回夜に男性不妊外来を開いております。平日夜間も月1回行っております。
現在、子宮頸がんワクチンの公費助成は行われているのですが、副反応について大々的に報道されたため、ワクチン接種自体が、ほとんど行われていない状況です。しかし、海外などでの多くの検証において、全く因果関係がないことが発表され、WHOの勧告もあり、おそらく近々にワクチン接種の推奨が行われそうな状況です。10万件の接種に対して2人程度発生するかもしれない有害事象(つまり1年50万人の女性が接種したとしても10人)に対して、毎年、数千人の女性が子宮頸がんにより亡くなっており、多くが子を持つ母親であることを考えれば、ワクチンを接種しない日本の状況は海外では全く理解できない状態であるようです。現在、4価型および2価型の子宮頸癌予防ワクチンが承認されております。中学生には無料接種の公費助成がございます。4価型は2価ワクチンとは違い、コンジローマなどの病気に対する予防効果もあるようです。御希望の方は自費でも接種することができます。ただし、これらのワクチンには子宮頸がんを治療する効果はありません。また、すでに、子宮頸癌をおこしやすいHPV(ヒトパピローマウィルス)に感染している方にも、発症を予防する効果はほとんどありません。高価なワクチンのため、すでに性交渉をしたことがある方や、20代以上の方は、基本的には先にHPVの感染の有無を調べてから投与した方がいいでしょう。ワクチン接種をご希望の方は、一度御来院の上、診察および説明をお受けになってください。当院ではあくまでも予約制であり、初診当日は接種をしません。初診時にお話しと予約をしていただき、接種することとなります。
当院の外来予約におきまして、かつては時間を細かく区切って予約を行っていたのですが、患者様からの「仕事や家の用事などの都合上、その予約時間しかなければ来院できない。」というクレームが多くよせられました。しかし、他の診療科と違い、患者様の月経周期により、検査や診察を行うことが多く、日にちを簡単にずらせません。従って、かつての細かい予約時間を廃止し、午前・午後の診察・処置の区分による予約時間帯を決め、その時間帯で早く来た患者様から順番に診察させていただくというシステムに変更しました。ただし、検査や体外受精の患者様は時間の予約があります。同じ時間帯でも、順番が遅い患者様については、待ち時間が2-3時間になることがあります。ご了承ください。
近年、35歳以上で不妊を訴え、人工授精や体外受精をおこなう患者様が非常に増えてきました。社会構造の変化により、女性の社会進出がめざましく、また、労働力として社会が女性の力に頼る時代となってきました。結婚年齢も上昇しております。仕事も複雑化し、仕事をこなすようになるには、女性でも30歳を越えないと一人前といえないような時代になってきました。しかし、生物学的に人間の身体はそれほど急激に老化が遅くなってきたわけではありません。35歳ともなると生殖年齢では高齢と考えられた女性が、はじめて新しい生命を育むようになる時代となったわけです。そのような時に、問題となるのが卵子を放出する卵巣の機能です。若い頃から月経不順のある患者様や、あまりにも早い初潮を迎えた患者様、ホルモンバランスの悪い患者様などの中には、35歳を超えるともうすでに卵巣機能がかなり落ちていて良い卵子が育たない患者様も多くいらっしゃいます。こういう患者様はなかなか妊娠しにくいのが現状です。自分は問題ないと考えていらっしゃる女性の方も、30歳真近かでありながらまだ、ご結婚や妊娠の予定が無い方は、一度婦人科で卵巣機能の評価をしてもらうのもよろしいかと思われます。思わぬ問題が指摘され、ホルモン療法や食事療法やビタミン摂取などで、卵巣機能の悪化が防げることがあります。これからの産婦人科医療は、女性の社会進出や妊娠出産の高齢化にあわせて女性の身体を守るように考えていかなければならないと考えております。
平成20年4月より、日本産婦人科学会で、胚移植数のより一層の制限を行う会告が出されております。34歳以下なら最初の2回までの胚移植では原則的に1個しか受精卵子を子宮に戻せないことになりました。また、どの年齢においても胚移植個数は2個以下ということになりました。日本産婦人科学会の会告遵守は会員の義務です。これに違反した場合、日本産婦人科学会の不妊治療認定施設となることはできません。不妊治療の公的助成金に関しては、日本産婦人科学会の認定施設であることが必要条件ですので、助成金を受けるためには会告の遵守が必須となります。
当院としても、体外受精をお勧めする患者様の状況や年齢などを考慮していく所存です。現在までの当院のスタンスとしては、究極に「タイミングで妊娠できそうな方はできるだけタイミング療法で。」「人工授精までで妊娠できる方はできるだけ人工授精までで。」というスタンスでしたが、結局、人工授精までで妊娠できなかった患者様の年齢や状況が悪化すると、体外受精に入ったときの年齢や卵巣機能低下などにより、良好な卵子が育つ確率や良好な受精卵子ができる確率が落ちてくるために、妊娠率が低下してしまうことがあります。胚移植のより一層な制限は、体外受精胚移植においてそれなりの回数が必要な場合もでてきますので、逆に患者様に経済的負担をかけることにもなりかねません。
従って、早めに体外受精を検討したい患者様は遠慮なくおっしゃってください。
もちろん、そのような状況な中でも、「タイミングで妊娠できそうな方はできるだけタイミング療法で。」「人工授精までで妊娠できる方はできるだけ人工授精までで。」というスタンスで治療を受けたいという患者様はそのままで結構です。
また、当院においては、1個しか胚移植ができない場合は、自然周期および人工周期において、その状況における最高の着床条件を見出すことに長けておりますので、皆様の期待に応えるべく最高の努力していく所存です。
現在、大学の後輩を中心に、診察のお手伝いをお願いしております。いずれも、産婦人科専門医であり、婦人科診察のエキスパートであります。安心して受診・検査をうけていただけます。また、不妊生殖医療の患者様におきましては、診察後の方針決定については院長が行っております。当院では一般産婦人科診療や産婦人科手術技術以外に卵培養操作技術もしっかり身につけている医師を募集しております。やはり、体外受精において正確な判断ができるのは、すべての技術を実際に習得しているような医師でないと難しいことがあるからです。
当院にて一般不妊検査を受けた後、タイミング療法や人工授精療法を行いかけたのちに、患者様のご都合でしばらく(1年以上)来院されなかった場合、また、一度流産された後にしばらく(1年以上)来院されなかった場合、そのまま体外受精を予定されている患者様以外は、一旦初診扱いとさせていただきます。つまり、一旦、再度初診予約枠で御来院いただきます。
<お知らせの抜粋について>
・次回の体外受精学級予定は未定です。最近、体外受精学級に参加される患者様がかなり減少しております。今では、体外受精に関しては、企業および他の医療機関などで、さまざまな動画説明などが出ておりますので、皆様がネット上で体外受精のプロセスを知る機会は多々あります。従って、一般的なことをお話しても、意味がありません。当院の特徴は、ホームページお知らせにて載せさせていただきます。また、はじめて体外受精を実際お受けになる患者様には、夜間カウンセリングの時に、個々に、全般的なことと同時に患者様自身の内容をお話しますので、体外受精学級をお受けにならなくてもご心配いりません。もし、また、全般的な事を話す機会をご希望の患者様が増えるようであれば、再開致します。
・日本生殖医学会(旧日本不妊学会)の専門医についてはhttp://www.jsrm.or.jp/に載っております。
・当院ではアシステッドハッチングやアシステッドICSIのために最新型のレーザーを導入しております。もちろん、特別な加算金はありません(現在は保険適用(保険で生殖補助医療をお受けになる患者様のみ。))、通常のアシステッドハッチングやICSIの値段と同じとさせていただきます。
・当院でもIMSI顕微鏡システムを導入開始しております。ICSIにおける良好精子の選別に力を発揮します。
・当院では、精子の卵活性化能が弱い方、また、卵子細胞成熟が弱く、受精現象が起こりにくい患者様に対して、化学的活性化および電気刺激活性化など、さまざまな受精卵活性化を行うことができます。
・モーニングアフターピル(緊急避妊ピル)の処方に関しては、緊急性が高いことから、事前予約無しに、当日お電話をいただいて診療時間中に診察処方を受けられますが、診察に関しては少々お待ちいただきます。(処置室で医師が面接お話します。)
月曜日と水曜日の夜間電話相談(PM8:00-9:00)は外来が終わらない場合は、できません。その場合、遅れてPM8:30-9:30となる場合があります。
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